【Ride / Pep】ランチ・パッキング・ライド(2/2)

Pep cyclesの自転車があると、どのようなサイクリングやライフスタイルを過ごせるかということを、サイクリングを通してお伝えする『Ride / Pep(ライド ペップ)』。今回はバイクパッキングを通じた自転車の楽しみ方を提唱している「Whatineed(ワラニー)※WEBサイトは誠意製作中」の佐藤真吾さんのナビゲートで、食を楽しむための「ランチ・パッキング・ライド」を、新型のフレームセット販売のモデル「NS-FS」に乗って、東京の羽田空港近くの城南島海浜公園までの片道約10kmを走り、ランチを楽しんできました!

後編は、ライドシーンは少なめですが、公園に着いてからのランチタイムの様子をお伝えします。

上の写真は、ひととおりランチを楽しんだ後、木漏れ日が心地よい公園で、そのまましばらくのんびりしている至福の時間です。

Pep cycles NS-FSには、アピデュラのフレームバッグとサドル下にはヘリノックスのチェアと琺瑯のカップを取り付けて、食材や調理道具をパッキングしました。暑い日はできるだけ荷物は背負わないのが正義。おかげで、ここに来るまでの道のりも軽快に走れました!

佐藤さんはキャンピングツーリングの定番バッグブランド、ドイツのオルトリーブ社のパニアバッグをリアキャリア両端に装着。前編でもお伝えしましたが、今回は泊まりなどのキャンピングツーリングではないため、テントやシュラフなどの装備は必要無く、パニアバッグの中には、食材と調理道具でほとんど占めています! いったいどれだけ入っているんだろう、ということで次の写真に移ります。

今回の食材を並べてみました! 一部、Pep cycles代表の海老根の荷物も混じっていますが、2/3以上の物量は佐藤さんが持ってきてくれた食材。二人(+筆者)としてはかなり多いのですが大丈夫でしょうか? それよりも佐藤さん曰く「これだけたくさんあっても、どこかで外食をするよりは安上がりになるんです! なので半日もあればライドと特別なランチが実現しますよ!」と。

こちらは調理道具の数々。今回は泊まりの荷物は必要ないため、重さや携帯性など、そこまでセレクトにこだわる必要は無いのですが、自転車同様に機能性や軽量コンパクトさを求めて、トライアンドエラーを重ねて厳選されてきた道具を持参しました。翌日のシーンを想像しながら、前日に道具をチョイスする時間は楽しいですよね。

いよいよ調理開始です。まずは時間がかかる米を炊くところからスタート! アウトドアでも手間がかからない無洗米をチョイスし、使う分量だけ測って容器にいれて持ってきました。米を入れてきた容器を使って水の分量を測ると簡単!

続いてソーセージを調理します。佐藤さんの調理方法は、いきなり焼くのではなく、まずは少量の水でボイルしてそのまま水を蒸発させた後、少し焼き色が着くまで炒めるのがオススメとのこと。ソーセージ調理は簡単なので、アウトドア調理初心者は、まずここからチャレンジを!

オイルサーディンの缶を固形燃料のストーブに載せて調理します。ぐつぐつしてきたら七味唐辛子とマヨネーズを入れて完成! こちらもほぼ手間がかかりません。コンパクトな固形燃料用ストーブと缶詰と調味料だけで、ここから食べれば器も必要ありません。荷物も少なくて済むレシピです。

ランチ・パッキング・ライドのスタイルは、“調理しながら、できたものは熱いうちに、すぐに食べる”方式。少しせわしないかもしれませんが、どこかツマミ食い感覚があって楽しい!

調理の時間が待ちになると、自転車やアウトドアでの調理談義が始まります。天気もロケーションも良く、気の合う仲間と食事、あと何があればよいのでしょうか?

今回のランチ・パッキング・ライドのランチを行った場所は、日帰りバーベキューが可能(要予約)な、東京湾岸にある「城南島海浜公園」。羽田空港の近くで着陸の航路になっているため、短いときは2分間隔で旅客機が上空を着陸態勢で飛び、飛行機好きにはたまらない場所。

佐藤さん、続いて肉を切り始めました! だんだんメインイベントに近づく感じでしょうか?

こちらは来る直前でスーパーで買ってきたマッシュルームと冷凍エビを使ったアヒージョ。調理方法はふんだんにオリーブオイルとガーリックパウダーを入れて熱するだけ。調理の見た目はだいぶ凝ってきた感がありますが、こちらもそれほど難しくありません。

アヒージョで使ったオリーブオイルは、使い切りの商品を使用。アウトドア調理用として売っているものでは無いのですが荷物の軽量化やゴミ軽減に便利で、「スーパーに行くと、アウトドア調理に使えそうなアイテムを、いつも探してしまうんですよ!」と佐藤さん。

豚バラ肉は蓄熱性が高くじっくりと焼ける「ミニスキレット」で表面をカリッと中はジューシーになるまで火を入れます。脂身で炎が上がるたびに、おおっと盛り上がります。味付けはシンプルに塩コショウで、そして美味しそう!

ここまで調理&食べっぱなしで過ごしています……。そして今回のメインイベントにたどり着きました。鹿児島県産国産黒毛和牛等級5・霜降りステーキ用208g(1,414円)を、そのまま豪快に焼きます! このシチュエーションでは誰もが写真撮りますよね。

霜降りステーキ肉が焼き上がりました! 長年使ってきたオピネルのナイフで切ってみると、ちょうどよい焼き加減に!!! シンプルに醤油とワサビでいただきます。

隣のテーブルからは、猫さんがこちらを眺めていました! 少し警戒気味!?

食事の後は、やっぱりコーヒー。もちろん豆を挽くところから!

挽いた豆はコーヒープレスにて。コーヒープレス特有の少しとろっとした感じのコーヒーが、肉料理の後にはちょうど良い感じ。そういえば、今回は野菜やデザート的なものが無く、最後まで濃厚食事でいきましたよね!?

ランチが終了したら、あとはそのままスタート地点の五反田駅を目指して帰ります。今回訪れた城南島海浜公園は約1.2km海沿いに面しているので、帰りのライドのウォームアップを兼ねて、羽田空港に着陸する飛行機や、東京湾を航行する船舶、対岸のガントリークレーンを眺めるライドを。食べ物も景色も美味しいところは、逃さないのが「バイク・パッキング・ライド」流!?

【城南島海浜公園】

東京都大田区城南島4-2-2

帰りのルートは行くときに気持ちよく走れた京浜運河沿いのルートを多めに走りました! 同ルートだけど反対方向のため視線は異なるので、景色はどこか異なる雰囲気に。徐々に日も傾いてきたけれど、まだ夕暮れではないので、そこまでノスタルジックにはならずに、明るい気分のまま解散しました。佐藤さん、ナビゲーションありがとうございました!

「本来、バイクパッキング(キャンピングライド)用として揃えていったアウトドア道具を、もっと気軽に有効活用したいためにランチに特化したライドスタイルが“ランチ・パッキング・ライド”なんです。そしてこれらは初心者、上級者問わず皆一緒に楽しめて、半日もあれば完結できるので、特に初心者がもっと自転車を楽しむ入り口になって欲しいんです。走ることが目的よりも、何か(食)のために走ることは良いきっかけになりますからね」と、佐藤さんはこのスタイルをきっかけに、自転車の楽しみを知ってくれる人が新たに増えてくれればとのことです。

使う人の好みで様々なカスタマイズができ、だれでも乗りやすく、いろんな使い方や遊び方ができる懐の深いPep cyclesのコンセプトに、今回体験したライドスタイルはとてもマッチした内容でした。Pep cyclesのユーザーは、ここまで豪華ランチでなくても大丈夫なので、まずは持っている調理道具を利用して、できるところから“ランチ・パッキング・ライド”を実践することをオススメします。Pep cyclesの自転車を検討している方は、まずは持っている自転車で先に“ランチ・パッキング・ライド”を行ってからPep cyclesに辿り着くのはいかがでしょうか?

佐藤 真吾(Shingo Sato)

1990年代にコロラドでレンタルしたMTBがきっかけで自転車にハマり、2011年から始まるシングルスピード自転車の日本選手権(SSJ)にてスタッフとしてMCを担当。2017年にはBikepacking JAMでスタッフを担当し、2019年は坂バカが集まるThe PEAKSでMCを担当するなど、広く自転車業界に関わっている。自身の経験を踏まえての“ちょいと長い考察”で評判の「サルサ野郎は考えた」のブログ主。

2017年に「そうそう、こんなアイテムが欲しかったんだ!」という想いを込めて、SNS、口コミを通じてバイクパッキングの専用アイテムなどをプロダクトとしたブランド「Whatineed」を立ち上げ、同時にバイクパッキングをテーマとしたイベントや、how toを伝えるワークショップなども行っている。佐藤さんには今回の”ランチ・パッキング・ライド”を楽しくナビゲーションしていただきました。ありがとうございます!

今回のランチ・パッキング・ライド後半のルートはこちら。スタート地点の五反田駅に戻るルートは、曲がり角を少なくするなど、行きよりも簡単にしながら京浜運河沿いを多めにしたルート設定で、坂道もほとんど無く初心者でも安心して走れる、約13kmの快適ルート。

Guide
佐藤 真吾 Shingo Sato
Web site: https://www.whatineed.tokyo
Facebook: https://www.facebook.com/Whatineed-134933067063385/
Instagram@whatineed_shingo

Whatineedオリジナル商品のほか、Pep cyclesもご購入いただけます。実店舗はありませんのでwhatineedshingo@gmail.com または、FacebookWhatineedページのメッセージからお問い合わせください。

Photo and text
石川 Nozomu Ishikawa
Instagram@nozomui

自転車雑誌「Bicycle Magazine」や「Bicycle Navi」、その他、自転車と写真をテーマとした「Bicycle Photo Magazine」の編集制作を担当した編集者兼フォトグラファー。その他、自転車やアウトドア、アパレルブランドの撮影やディレクションや、自転車での旅と写真をテーマとしたワークショップやツアーなどに関わる。

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